時間は大切

     
こんな天気のいい日は外で御飯を
食べたら美味しいだろう・・・

なんて、考えて付かないぐらい暑い中
少しでも涼しい所を捜し求め、木陰や
建物の影に入り昼食を取り始める。

普通なら暑さの為、食欲が落ちるはずなのだが
そんな気配を見せず、食事を始めた。
が、先ほど話し名前を言い当てた人数より
増えており、より暑さを感じる中
持ってきたお重を広げる。

一段目には、からあげ、エビフライ、アスパラのベーコン巻き
二段目には、おむすび、卵焼き
三段目には、夏野菜サラダ、茹でたブリッコリー、フルーツ

数は少ないが量が多く、一人ではけして
食べ切れれる量ではなかった。

ちゃん・・・作りすぎでは・・・・・・」

「功兄が、将は一杯食べるぞ。て、言ってたから
 頑張ったんだけど、やっぱり作りすぎかなぁ・・・・」

お重の中身を見て、2人してため息を付いていると
横らかお箸を持つ手が伸びてきた。

「皆で食べれば良いじゃん」

「翼さん?」

「コレだけあるんだから、皆で食べるのが当たり前だろう。
 それともナニ、一人で食べる全部食べれるんだったら
 俺ら手を出さないけど、食べれないんだろう?
 折角、が作ってくれたんだから残すなんて勿体し」

言い終わると、エビフライを取り口に運んだ。

「俺も椎名の意見に賛成!」

「残すのはもったいないしな」

次から次に箸を持ち、からあげや卵焼きを掴み
己の口に運んで行く。

「藤代さん、渋沢さん、お口に合いますか?」

次から次に口に運んでいた藤代は、首を縦に振って答え
渋沢は

「大丈夫だ」と笑いながら答えを返した。

二人の意見に安心し、将にも食べる様に勧める

「将も一杯食べてね。杉原君も水野君も遠慮しないで
 好きなのを取ってくださいね。
 えっと・・・黒川さんも原さんも、食べて下さい。
 手の届かない所にあるものは私が取りますから」

笑顔で進めると

「いただきます」

「ありがとう」

「あぁ」

と返事を貰い、おかずがなくなっていく光景を見ていた。
そんな中、翼が藤代に声を掛けた。

「ところで、藤代はいつまでを膝の上に乗せてるのさ」

「ずっと」

も嫌ならイヤって言いなよ。じゃないとコイツは
 いつまで立っても下ろしてくれないよ」

怒っているのか、大きな目を細め藤代を見てから
藤代の膝の上でおむすびを食べていたを見た。

関係を知らない者がみれば仲のいい兄弟に見れる風景も
関係を知っている者にすればオカシナ風景だった。

それもそのはず、上機嫌ですと言う表現を顔と体全体に表す
藤代の下には、ごく普通におむすびを食べている
恥ずかしいと言う事は思っていない事が見るだけで解った。
そんな周りの視線を感じ不思議そうに首をかしげ将に声をかける

「将、私何かおかしい?」

「う〜ん、どうだろうねぇ」

お互い顔を見合わせ苦笑し合っていると、将の横に座っていた
水野が口をひらく。

「膝の上に座っていて、恥かしくないないのか?」

「ないですよ」

考える時間なしの即答に近い速さで言葉が返ってきた。

「それに、東京に居る頃は功兄が良くしてくれたし」

時間差と中身に衝撃を受け

「・・・・・そ、そうか・・・・・」

弱々しい返事を返し、
二人のやり取りを聞いていた将がさらに苦笑した。



ガックリと肩の力を落しながら食事をしている水野の
姿を見ていたが、名前を呼ばれ視線を声の聞こえた方向を
見ると、おいでおいでと手招きをしていたので、
藤代の膝から下り、手招きされるままに近寄って行くと
小さい子に指示を出す様に太股を叩く。

声ではなく体で表す指示は
ココに座れ
だった。

体での指示に従い座る。

「座ると顔の位置が同じかぁ・・・・」

指示されるままに座り相手の顔を見ると言葉どうり
視線が同じ高さだった。

の身長は135〜140だね」

「どうして解るんですか?翼さん」

質問に答える気はないのか、サラダを口に運び始めた。
翼の食べる姿を見ながら、答えを待っていると
横から、オレンジが差し出され、

「食べないとなくなるぞ」

言葉をかけられ、差し出されたオレンジを受け取り
礼を述べる

「ありがとう、黒川くん」

甘酸っぱい味と柑橘の匂いを楽しみながら、
手渡されるオレンジを食べていると
食事が終わった事を知らせる言葉が聞こえる。

「ご馳走様でした」

「美味しかったです」

各自から言葉を貰い、

「どういたしまして」

と、笑顔で言葉を返し片付けに入る為に翼の膝から
下りようとすると腰に手を回され、立つ事が出来なかった。

「翼さん」

上半身だけ動かし翼の顔を見ると、笑顔で

「ナニ?」

と返された。

「下りたいのですが」

先ほどの忠告どうりハッキリ自分の意見を言う。

「どうして?」

「後片付けをしたいんです」

先ほどまで広げられたお重を見ると、将と渋沢が
片付け始めていた。

「将が片付けてくれてるじゃん」

「持ってきたのは私ですから、私が片付けないと」

「大丈夫だって」

「いえ、大丈夫ではなく・・・・・」

笑っている翼と片付けられていくお重を交互に
見て、困っていると腰に回された腕に力が入った。

「残り少ない休憩時間なんだからゆっくりしょうよ」
首にかかる髪の毛と声を聞き

「はぁ・・・・・」

と、曖昧な返事を返し、お重を片付け
邪魔にならない所に持って行く、将の姿を申し訳なさそうに
見ていた。

炎天下の中、翼の膝の上で昼休憩の声がかかるまで
すごす事なった。

周りからは、
おかしい!
暑くないのか!?

と言う視線の中に
いいなぁ・・椎名・・・・

羨ましいと言う態度と視線


何かを考え込んでいる視線
そんな中

苦笑か笑いか複雑な表情をした将がいた。